僕が取った不謹慎で
軽率な行動によって
僕と父は喧嘩をした。


母の病室でお互い
怒りで沈黙をする。


全ては僕がいけないのに…。


でも変に意地を張ってしまい
母にもそっけない態度を取ってしまった。


僕は


「誰も洗濯してくれないから家に帰って洗濯干してくる!」


と病院に来てまもないにもかかわらず
帰ろうとしてしまった。



そんな僕の態度を見て
母は僕が母の事を嫌いになってしまったのかと
不安を感じ始め


父の方を向かい、
泣きそうな声で



「どうしよう…ゆうじがもう来てくれない…」



僕は慌てて



「大丈夫だよはつみ。洗濯物を干したらまたすぐに来るよ」



と母に声をかけた。



そしてその瞬間、
自分の軽率な行動を
心の底から後悔した。


母にこんなことを言わせてしまった事に
ショックを受け、目に涙を貯めながら



「とりあえず一旦家に帰るね」



と言い残し家に帰った。




しかし父に対して
謝ることができなかった。



父が家に帰ってくると
僕は無言でまた自転車で病院に向かった。



母の病室に着くと
母は僕の顔を見て



これまた泣きそうな声で



「あ~ゆうじが来てくれた…」



とホッとした様子だった。



僕は本当にバカだった。



あんな軽率な行動を取らなければ
父にも母にも
こんな嫌な思いをさせなくて済んだのに…。



母との貴重な残りの時間を
僕は台無しにしてしまった。



でもこんなバカな僕には
どんな時でも味方でいてくれる両親がいた。



僕は自分のしたことを悔いていても
くだらないプライドが邪魔をして
父に謝ることができなかった。



そんな思いを持って
母のそばにいると



突然病室の扉が開いた。



そこには先程家に帰って来たはずの
父の姿があった。



動揺する僕。



そんな僕をよそに
父は椅子に腰を掛けた。



僕と父が喧嘩をしていることを
知らない母は父に



「あれ?もう帰ってきたの?」



と嬉しそうに話しかけた。



父は



「洋平は仕事でまだ来れないけれど、今日は家族でゆっくり過ごそうと思ってな」



僕は父の言葉を聞いて
泣き始めてしまった。



あんな酷い事をしたのに
父が僕の事を見放さないでいてくれた事や


僕を含めた
『家族で過ごす』
という言葉がたまらなく嬉しかった。


そして何より
父と母に対しての


『ごめんなさい』


という懺悔の気持ちが溢れ
涙が止まらなかった。



母は突然泣き始めた僕を
心配してくれて


「どうした?」



「ううん…なんでもない…。おれが悪かっただけ…」



どんな時でも
大きな心で、
たくさんの愛情で
僕の事を包み込んでくれる両親。



僕はつくづく

この両親の元に生まれて
本当に幸せだと思った。


そしてこの数時間後
僕は母と最後の会話をすることとなる。






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