母の容体が急変し、
一時は母の死を覚悟した日から
次の日になった。


この日は母の闘病生活の中でも
母に告知をしたあの日と同じぐらい
忘れられない日となる。


僕はこの日、大学に
レポートを提出しに行った。


レポートを提出してまもなく
父から着信が入る。


ドキッとする僕。
前日の事もあり、


(何か母に起きたのか!?)


と恐怖を感じながら電話に出ると


「先生が話したいことがあるらしい。今から病院に行けるか?」


僕は父に「今から行く!」
と即答した。


その一方で


(家族全員ではなく、おれだけでも良い話って何だろう?)


と疑問を持ちながら病院に向かった。


病院に向かっている最中、
色々と自分なりに考えたが
皆目見当がつかなかった。


(仮に母の容体が悪化したのなら
おれだけではなく全員に来てほしいと頼むはずだ)


(だからきっと大した事ではないのだろうな)


などと都合よく考えていたが、
やはり病院のに着いて
1階でエレベーターを待っている頃には
不安と緊張で押しつぶされそうになった。


4階に着いた。
僕は母の顔を見て早く安心したいと
はやる気持ちを抑えきれずに
母の病室に向かった。


ドアの前に立ち、
心臓がバクバクしながら
ほんの一瞬、深呼吸をしてから
ドアの取っ手を握った。


(頼む!何事も起きていないでくれ…)


(はつみ無事でいてくれ!)

僕は祈りながら
一気にドアを開けた。



すると視線の先には
勢い良く病室へと入ってきた僕に
驚いた様子の看護師さんの顔が見えた。


そして母の方に視線を向けると
体温計を渡そうとしている母がいた


母も驚いた顔をしている。
僕はホッとして深いため息が漏れた。


「どうした?母ちゃんは生きているよ^^」


とニコッと笑い、
僕に優しく話しかけてくれた。


(な~んだ、なにも変わっていないじゃん、でも無事で良かった)



僕は母に

「父ちゃんから病院に行ってくれって電話があってさ、それで飛んで来たんだよ」


と伝えると、母はすかさず


「なんで?ほらこの通り母ちゃんは元気だよ?」


と疑問を浮かべた表情で僕に問いかけた。


このやりとりをしている間に
看護師の方は病室から出て行った。


僕はホッとして一気に力が抜けた。


5分ぐらい母と談笑した。


「今日は元気そうだね^^」


と僕は安心した。


すると先程の看護師の方が
ドアを開けて僕に話しかけてきた。


「昨日移動した際に、昨日の病室に忘れ物がありまして確認してほしいので来ていただけますか?」


(あれ?昨日間違いなく全部あっちの部屋から荷物持ってきたはずだけどな?)


僕は疑問を持ちながら立ち上がり



不思議そうな顔をして母に


「とりあえず行ってくるわ」



と告げ、病室を出た。


当時の僕は自分で言うのも何だけれど
純粋だったので、言われた事に対し
100%信じてしまう傾向にあった。


そして廊下に出ると
看護師の方は僕と目が合うと
先程までと打って変わって
神妙な顔をして


「先生からご説明したいことがありますのでこちらへどうぞ」


と僕を誘導した。


僕は自分が置かれている状況が
うまく理解できず混乱しつつも、
言われるがまま案内された部屋へと入った。


この15分後、
僕は母の前で
号泣する…。





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