母に感謝の思いを告げることができたこの日
反対に母からお願いをされた事があった。


それは母が僕に託した
最後の願いであった。



当時、大学3年生の21歳。
いよいよ4年生になると
就職活動が始まる。


余談ではあるけれど
3つ上の兄は真面目で
慎重な性格上もあり
手あたり次第、
面接を受けたりせず


自分が生かせる、
自分がやりたい事を
しっかりと吟味していた為、


就職が決まったのが
結構、卒業間近で決まった。


ちなみに兄はその会社に
大学卒業後、
一筋12年お世話になっている


話が少しそれてしまったが
兄が卒業間近に決まったとはいえ
しっかりと就職活動した経緯もあり
母は僕の就職について話をしてきた。



母は椅子に座っている僕に向かい
唐突に


「ゆうじ、就職だけは必ずしてね」



「え?どうしたの急に?」


母の声は少し震えていた


「母ちゃんがこんなことになって迷惑をかけてごめんね…。母ちゃんが原因でフリーターにだけはならないでね」


僕は母の震えた声を聞いて
思わずつられて


「わかったよ。絶対におれ就職するから。迷惑だなんて思っていないよ、はつみに心配かけないように絶対にフリーターにはならないから安心して」


と目を真っ赤にして答えた。


すると母は


「約束だよ?就職だけはしっかりね」


「うん!約束する」


母は嬉しそうだった。



こじつけかもしれないけれど
母は僕に迷惑をかけないように
この時期に亡くなったのかなと
真面目に思う。


もし仮に1年後にこんな状況だったら
きっと就職するのが決まっていたとしても
母が亡くなったのは2月だったので、
卒業まで1ヶ月、
就職まで2か月しかなかった。


おそらく母が亡くなったショックを抱えたまま
就職をして、


新入社員だと当然、
覚える事や失敗することが多く
たくさん凹む。


その凹んだ時に
僕のメンタルだときっと
『プライベートのショックが大きくて仕事がうまくいかないんだ』
などと言い訳の理由にしたり


もっと言えば
『はつみのせいだ』
と思ってしまう事があったかもしれない。


反対にもし1年前であったら
大学2年生の20歳だったので


単位が取れていないにもかかわらず
精神的なショックが大きすぎて
3年生になる4月から
授業をサボっていたかもしれない。
その結果、留年していたかもしれない。

現に僕は3年生まででしっかりと
卒業までに必要な単位をほぼ取得できていた。


その為、この後母が亡くなって
精神的なショックが大きくて
僕は大学にあまり通わなかった。


父と兄は仕事の為

母が亡くなってからは
学生の僕は朝から晩まで
ずっと家で一人だった。
なので
一種の軽いひきこもりのような生活を送る事となる。



ただ逆を言えばそれだけ
母の死に対して思う存分、
悲しむ時間に使えて
立ち直るまでの時間が十分にあった。


言葉は正しいかはわからないけれど
21歳、大学3年生の2月の
この時期に亡くなってくれたからこそ
僕は好きなだけ
母との別れを悲しむことができ


また新たな一歩を踏み出すまでに
十分に時間が取れた。


大学も無事に卒業でき
また卒業後、
すぐに就職できたのも
そして仕事に全力で向き合うことができたのも
この時期だったからこそだと
今でも強く思う。


また母との


「就職してね」


というお願いと約束があったからこそ
僕を奮い立たせてくれたと強く思う。


そう思えてしまうぐらい
僕の事を気にかけてくれていたので
僕は母に対して感謝している。




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