僕にはどうしても
許せない人がいた。


母が亡くなり49日が過ぎた
この日僕はその人と1対1で
会わなければいけなかった。


その人物とは葬儀屋の人間だ。
白髪交じりの50代後半の男性。


母が亡くなったあの日、
家に冷たくなった母が帰って来て
数時間後、そこには


父と兄と僕と叔父と
そしてその葬儀屋の男性がいた。


忘れもしない。


母の葬儀について
話し合いが行われる直前


叔父が何気なく
葬儀屋の男性に
仕事について


「最近どうですか?」


と聞いたところ


葬儀屋の男性は


舌をペロっと出し


「おかげさまで最近(亡くなる人が多くて)忙しいんですよ」


と笑顔で叔父に応えていた。


その言動に僕は
唖然とした。


そしてすぐに憤りを感じた。


兄もこの時の
この言動を見ていた。



たしかにこの人にとっては
僕らは客であり、
何の繋がりもないので
悲しくも何ともないのはわかっているけれど


亡くなった当日に
悲しんでいる遺族の前で
なんでこんな態度を取れるんだ


よく心の傷に塩を塗るような

こんな態度が取れるな


学生ながらに
50代のしかもこれを仕事にしている
人間が取る言動ではない!


と憎しみの感情が
湧いてきてしまった。


そして49日が過ぎたこの日
この人がまた我が家にやって来る。



僕の記憶では
この49日の時点で仏壇が
まだ我が家には無くて


この葬儀屋が仏壇に代わる
簡易的なテーブルの上に
49日までに必要なものを置いていた。


そして49日が終わった為
何点か回収に我が家に来ることになっていた。


兄から今日この日に
この葬儀屋の男性が来たら
塩を撒いておいてと頼まれていた。


普段優しい兄がこんな事を言うなんて
兄もこの人を憎んでいるのだとわかった。


そして約束の時間に
この人が来た。


僕は素っ気なく、
いや内に激しい憎しみを持っていた為


僕はずっと酷い応対をしていた。


近況を聞かれ
冷たく応え


母に線香を上げてくれた時も
その背中を見ながら
ずっと睨んでいた。


そしてこの人が帰った後
兄に言われた通り、塩を撒いた。


しかし徐々に自分の取った行動に
罪悪感が生まれ、母の遺影の前で
また泣いた。



でも僕は未だに
あの人の事は許せないでいる…。


憎むことでしか
前に進めない
自分が情けない。





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