20代で両親を癌で亡くした僕の想い ~心の宿り木を目指して~

21歳の時に母を29歳の時に父を亡くした現在31歳の男です。 僕の経験や想いを書いています。 死別を経験した僕だからこそ誰かの役に立てるのではないか たくさんの愛情をくれた自慢の両親が生きた証を残したくて書き続けています。 身近で見た癌発見前の体の異変、癌発見、入院、抗がん剤、告知、看病、別れの時、それぞれの死から感じた事など赤裸々に書きます。 読んでくれる方の何かのきっかけになってくれれば嬉しいです。

21歳の時に母を29歳の時に父を亡くした現在31歳の男です。
僕の経験や想いを書いています。
死別を経験した僕だからこそ誰かの役に立てるのではないか
たくさんの愛情をくれた自慢の両親が生きた証を残したくて書き続けています。

身近で見た癌発見前の体の異変、癌発見、入院、抗がん剤、告知、看病、別れの時、それぞれの死から感じた事など赤裸々に書きます。 読んでくれる方の何かのきっかけになってくれれば嬉しいです。

突然の悪夢の告知から数時間後、
今度こそ手術が終わるとのことで、
僕ら家族は先に9階の病棟に案内された。


僕は9階のロビーで、
ただただ途方に暮れていた。

重苦しい空気の為、
父も兄も誰一人口を開かなかった・・。


そして看護師さんから
まもなく母が病室に来ると案内された。


僕ら3人は母に


「末期の癌であること」


「残り時間が残されていないこと」


を絶対に気づかれないようにしようと、
急にスイッチのようなものが入った。




それは言葉にせずとも
もはや暗黙の了解であった。


そしていよいよ看護師の方が
「今からエレベーターに乗って帰ってきます」
と告げに来て、
僕らは急いでエレベーター前に向かった。


僕は


(絶対にはつみにバレちゃいけない)


(普通だ!普通に迎えるんだ!)


(冷静に、冷静に!)


などと「平静を装うんだ!!!」と自分に言い聞かせ
エレベーターの階数表示を見ながら考えていた。


そして5⇒6⇒7⇒8となった時
僕の心臓はバクバクいっていた。


そしてエレベータが9階に着いた。


エレベーターの扉が開き、
ストレッチャーが出てきて
母と目があった時


母は開口一番
「ただいま~生きて帰ってきました!!」


と満面の笑みで
話しかけてきた。




僕はその瞬間、
自分の抑えていた感情が一気に爆発して
涙が一気に溢れてきた。


唇を噛みしめて
湧き上げる悔しい気持ちを抑え
心の中で


(違うよはつみ、はつみはもう死ぬんだよ、もう手遅れなんだよ)


と叫んだ。

母だけは治った気でいた。
というのも



先生から余命宣告を受けた時、
母には「人工肛門にはなるが、手術は成功した」と告げますと
先生から言われ僕らは了承した。


母一人だけが
今後に希望を持っていた。


それが余計に辛くて
母は希望に満ち溢れていて、
反対に僕は絶望に堕ちていった。


あんなに嬉しそうに
太陽のような満面の笑みを見たら
余計に母が恋しくなった。


「死んでほしくない」


「生きてほしい」


「癌が治ってほしい」


「もっともっと一緒にいたい」


「親孝行したい」


僕は落ち着こうとすればするほど
涙が止まらなくなった・・。


病室に着いて、母は父と兄と話した。
2人はしっかりと冷静を装い母と話していた。


僕はカーテンの裏に隠れ、


(落ち着くんだ)


(堪えるんだ)


(はつみに気づかれないようにしなくてはいけないんだ)


など一生懸命、
涙を止めようと鼻を摘まみながら
気持ちを落ち着かせようとした。


すると母が「ゆうじは?」と父と兄に聞いた。


父「あ~ゆうじは手術が終わってホッとして泣いているんだよ」


母「ゆうじ、顔が見たいからこっちへ来て」


僕はその瞬間、また一気に泣いてしまった。


母「どうした?もう終わったから大丈夫だから。先生が無事に手術終わったって聞いたろ?」


「ごめん・・。」


母「なんでおまえが謝る?」


僕は何も言えず泣きじゃくり、うつむいていた。


すると見かねた父が


「今日一日ずっと緊張しっぱなしだったから、緊張が一気にほどけたんだよ」


と母に気づかれないように、
すぐさまフォローを入れてくれた。


母はそういうことかと納得して、
僕に顔を見せてといい、
僕はベットに寝ている母の横で
膝をついた。


母は両手で僕の頬を触って


「もう大丈夫だから^^」


と言って励ましてくれた。


僕はまた泣いてしまった。


今振り返っても僕はこの日から母が亡くなって2、3ヶ月後まで
毎日、しかも一日何回も泣いていた気がする。




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