母の異変を感じたのは
忘れもしない2008年11月9日の事だった。


その日は僕の21歳の誕生日。
結局これが母と過ごした最後の誕生日となった。


僕はプロ野球の西武ライオンズの大ファン。
兄はプロ野球の読売ジャイアンツの大ファン。


この年両チームはリーグ優勝し、日本シリーズで対戦した。
そしてこの日は勝ったチームが日本一になるという大事な日。


日曜日ということもあり、いつものように父、母、兄と4人で
テレビで野球見ながら晩御飯のしゃぶしゃぶを食べていた。


週末のいつもの光景。
しかし母の異変はすぐに起こった。


食べている途中で突然吐き気を催し、食べるのを止め、
流しで嘔吐を繰り返した。


僕は食事中だった事、テレビ観戦の邪魔をされたことに腹を立て
苦しんでいる母につい酷い言葉をかけてしまった。


「うるさいな!食事中だぞ」


「ごめん・・。鶏肉に当たったのかも」


僕はその時その言葉を鵜呑みにし、
ただの一過性の食あたり程度にしか思っていなかった。


母はその後2階の寝室で横になった。
その時には僕も冷静になり、母の代わりに
食器洗いと洗濯をした。


ちょうど母の寝室の前の部屋で洗濯を干していると
襖の奥から


「ゆうじ、ごめんねせっかくの日本シリーズの時に・・。」


「気にしないで良いよ」


「西武勝つと良いね。でもそうするとお兄ちゃんが怖いか(笑)」


「うん。でも今日は誕生日だし絶対に西武が勝つよ!おやすみ」


そして試合は西武が日本一になった。
僕は嬉しくて2階の母の所に向かい、襖越しに


「はつみ(母)起きてる?西武勝ったよ!!!!」


「起きてるよ。良かったね。良い誕生日になったね」


「ありがとう!体調どう?良くなった?」


「うん。もう大丈夫だから、下に行ってスポーツニュース見て来な」


「良かった!おやすみ」


「うんおやすみ」


この時の僕は、本当にただの一過性の食あたりとしか思っていなかった。


しかしこれが母の初めての異変で、母も気づかない
「母からのSOS」だっただなんて知る由もなかった・・・。



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