待てど暮らせど業者から電話が来ない。


きっと今修理に行っている家も派手に壊れて
時間がかかるのだろう。


僕は自分を納得させようと
自分に言い聞かせた。


しかし自宅の電話番号がしか教えていない為、
家を離れるわけにはいかない。


水も出ないし、やる事も特に見つからない。
僕はとりあえず和室で横になりながら
業者からの電話を待った。


すると30分後ぐらいに
自宅の電話が鳴り響いた。


急いで受話器を取ると先程の○○工業から
着信があったので折り返しの連絡をしたとの旨の電話がかかってきた。


僕は本当は頼みたかったけれど留守だった為に
他の業者に頼んでしまった事に対して罪悪感を感じながら
その旨を告げた所、電話の先の○○工業の人から
「修理できる者が先週から怪我をしていて、今修理できる者がいない」と返答を受けて
何だかホッとした。


そして電話を切ってまたゴロゴロして2,30分後
電話がかかってきた。


今度こそ業者からだと思って出てみると
ただの営業の電話だった。


僕は電話の先で(台風の翌日にこんな電話なんてかけるな!)と
憤りを感じながら、やんわりと断り電話を切った。


この時、時刻は13:00ぐらいだった。
そこから一切電話が鳴る事はなかった…。


13:00


14:00


15:00


どれだけ前の家でかかっているんだ(怒)


遅くなるのは仕方ないとして
せめて電話の一本ぐらいかけるべきではないか(怒)


僕は一人でイライラしていた。
でも我が家でもこうした被害が出ているんだ


きっと今修理している家も相当派手に壊れていて
作業が難航しているんだろう


これじゃあただのクレーマーだろうと
自分に言い聞かせて自分をなだめた。



僕は14時ぐらいから和室と玄関の
模様替えと掃除を行った。


なかなかこんな機会もないし、
こういう出掛けたくても出掛けられないわけだし、
楽しもうと考えた。


手袋をしながら作業をしたが途中
どうしても手が汚れ、手を洗いたくなった。


でも水は出ない。
正式には元栓を開けば水を出そうとすれば出るが
その分、管から大量の水が飛び散る。


面倒くさいがそうするかと
ふと廊下にあった大量の埃をかぶった段ボールに目をやると…。


その段ボールの中には2リットルの水のペットボトルが
6本入っていた。


それは心配性であり、かつ家族の中で一番の危機感を持っていた母が
こうした何か不足な事態が起きた時様にと生前の母が用意していた
緊急用の水だった。


僕は目頭が熱くなった。
母が亡くなって10年。


10年の月日が立ちながらも
母の用意してくれた水が今こうして困っている僕を助けてくれる。


僕はその水を使わずにはいられなかった。
そして改めて母の優しさと家族を守ろうといつも僕達の事を考えて行動してくれていた事を
思い出し、母に感謝した。


ただ手を洗うだけなのに水が出ないだけでこんなに不便なんだ。
そして母が用意してくれていたペットボトルを開封し、
お風呂場の桶に水を入れ、石鹸を使い手を洗い、
水の大切さ、ありがたみを心の底から感じた。


そして蛇口をひねれば水が出てくる事、
スイッチを押せば電気がつく事、
この日常では当たり前の事がこんなに恵まれているのだと
身を持って感じる事ができた。


そして時刻は16時半。
前の家の作業をしていると伝えられてから
一切連絡がない。


ということは5時間かかるのか…。


今から来てもらっても同じようにかかるのなら
22時ぐらいに終わる計算になる…。


さすがにそれは困る。
僕はクレーマーと思われるのを覚悟で
電話しようと自宅の電話機の受話器を取ると…


いつものような「プーーー」という音が
受話器からしない…。


まさか!と思い
自分のスマホから自宅の電話番号にかけてみると…。


そう…。電話が壊れてかけられない状態になっていたのだ…。
僕はそれに気づいていなかっただけ…。


急いで業者に電話をすると…。


僕は名前と午前中に電話で依頼して
その後、音信不通となってしまった事で迷惑をかけてしまい
申し訳ありませんでしたと伝えたが、事務所の人の反応は薄かった。


そして午前中同様、少し時間を置いてから
先程の感じの悪かった女性から電話がかかってきた。


電話の先でその女性はこれまた小馬鹿にした様子で
鼻で笑い「電話は直りましたかね?」と
尋ねてきた。


腹が立ったが怒りを押し殺し
「これから向かう」との旨を聞き、
やっとか、、とホッとした半面、


知らない間に電話が壊れていて
それに気づかなかった影響で
時間を無駄にしてしまった事に
やり場のない怒りを感じながら
業者が来るのを待つことにした。



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