処置室で待機している僕と父。

僕はここからしばらく僕らは
この処置室に待機するのだろうと思った。

病院に来てから約3時間。
父が検査中はいつ父の検査が終わるかわからず
待合スペースから離れる事ができなかったので
父にトイレや心配している兄に電話して来る、と言って
僕は父を処置室に残してこの場所を離れた。


ちょうど時間はお昼過ぎ。
仕事に行っている兄はちょうど休憩の時間だ。


兄とは朝からちょくちょく
メールでやり取りをしていた。


兄とは元々仲良しだが
社会人になってからほとんど
メールはしていなかった。


だがここ数日から
兄とのメールの頻度は目まぐるしく増えた。


兄にはメールで
先程の先生から言われて
「癌の可能性がある」というのは
すでに伝え済みだった。


スマホを見ると
また兄からメールが入っていた。


「今電話できる?」


僕は小走りで2階の
通話可能スペースに向かった。


この時今でもはっきりと覚えているのは
電話をかける直前の心構え。


この時点の精神状態は
だいぶ落ち着いていた。


ただ7年前の泣き虫な僕を間近で
見続けて支え続けてくれた兄は
間違いなく父の状況だけではなく
僕の事も心配していたと思う。


家族大好き人間の弟の僕は
またきっと父に癌の疑いがあると聞いて
取り乱しているのではないかと
心配しているのだろうなと思った。


ただ僕も兄に

あの時と同じような泣き虫の弟ではないよ、


信ちゃんの事だけを心配してね


と兄に余計な心配をかけないで済むように
気を引き締めて電話をかけたのを覚えている。


電話の先の兄の声は心なしか
ちょっと上ずっているように感じた。


冷静さを装っている感じというか
動揺を隠そうとしているというか。


「そっか~やっぱりちょっと癌かもしれないな~って思っていたんだよね」


と兄が言っていたのを覚えている。


僕は結構、淡々に近い感じで
兄に話していた。


ただこの電話をしながら
言葉にしなかったけれど


”ここから大変だけれど一緒にがんばろう”


という共通認識が芽生えた感じがした。


言葉にしなくてもそんな感じのした
兄との電話だったのを覚えている。


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