父と別れることになるかもしれない。
母の時のようにこのままあっという間に
別れの時間が来てしまうのではないか。


僕はそんな悲しみに押しつぶされそうになりながらも
一旦は平静を取り戻した。


しかしふとした瞬間、
僕はカバンに忍ばせておいた
母の事を思い出し


カバンのチャックを開けて
カバンの口を広げ母の顔が見えるよう
横にしてカバンの口付近まで持って来た。


1人で待合スペースにいる僕。
父は検査中。兄は仕事中。


僕は母が傍に居てくれている事を忘れていた。
僕は母の顔を見るなり、感情が溢れた。


周りにいる人に気づかれないようにと意識しながらも
遺影とはいえ今唯一心の声を素直に、正直に言える母が目の前にいる。


僕はやり場のない怒りを母にぶつけた。



心の中で



(なんでだよ…なんで信ちゃんの事を守ってくれなかったんだよ…)



(あんなに信ちゃんの事を守って!ってお願いしたのに)


顔をくしゃくしゃにしながら
周りに気づかれないようにとしながらも
僕は下を向きカバンの口の母の遺影に向かって
何度も何度もやり場のない怒りをぶつけてしまった。



僕はこの時、なんで守ってくれなかったんだと
母に怒りをぶつけてしまった。


しかし父は違った。


僕はこの数時間後、
父の母に対する思いを聞く。


その想いを聞いて
僕はこの時の自分を責めて、
また両親の深い絆を知り
泣くこととなる。





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