父の身体から癌細胞らしきものが見つかった。
ある程度の覚悟のようなものはできていたので
意外と冷静に受け止められた。


しかし現実は受け止められたものの
徐々に悲しみが襲ってきた。


だけど母の時は違った。


自分で言うのも変だが
母を失ってからのこの7年ずっと僕は


いつか訪れる



”この時”



をずっと意識して過ごしてきた。



だから日勤の仕事にも転職したし
いつか必ず訪れるこの時をずっと覚悟して
過ごしてきたつもり。


母の時は目の前が真っ暗になり
ただただ泣きながら進んできた。


でもあの頃の僕とは違う。


いつこの日が訪れても大丈夫なように
特にこの1年ぐらいはより
父との時間を大事に過ごして
父の事がより大好きになっていたから。


母の時はショックのあまり
自分を見失って
不安と恐怖で押しつぶされそうだったけれど


この日、父の身体から癌細胞らしきものが見つかった時は
自分の事はほとんど考えず


父の事だけに目を向けられた
そんな感覚だった。


だから信ちゃんとの別れのカウントダウンが
今この瞬間から始まってしまったんだと
父との別れを意識して悲しい気持ちに襲われた。


覚悟をしていたとはいえ
やっぱりもっと一緒にいたい
そんな気持ちで一杯だった。


そして父の美味しいご飯が
もう食べられないのだと
悲しくて寂しくて
涙が溢れてきた。


でもここは待合スペース。
そしていつ父が帰ってくるかもわからない。


理性が働き、周りの人に気づかれないように
涙を拭いて深呼吸を繰り返し視線を下に落とし
泣き止むまで無理矢理、別の事を考えて過ごした。







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