時は2016年1月30日土曜日。
この日僕は19時まで仕事だった。


父はこの前夜、
僕に病院に行くと
約束してくれた。


病院嫌いの父が自らの意思で
病院に行くと言ってきた。


ただ僕が教えた病院ではなく
歩いてすぐの所にある
クリニックに行くと父は言った。


僕は父の体力が続かない事を
この時には理解していたので
納得していた。


父もようやく自分の体の異変に
向き合おうとしてくれた。


それだけで僕は
嬉しかった。


これで一歩前に進めると
思ったから。


マッサージをして発作を起こしたあの日以降、
僕の前では異変を起こしたのはその一度だけで
父は今までと変わらない姿を見せてくれていた。


今にして思えば父は
泣き虫な僕に心配をかけないように
無理をしてくれていたのかもしれない。


僕はまだ
狭心症ではないだろうかと
思っていた。


そしてそこまで
重病ではないだろうと思っていた、
というよりそう自分に都合の良い風に思うようにしていた。


仕事中も父の事が気になったが
病院に行って見てもらい
病名がわかるはずだから
大丈夫だと考えながら仕事をした。


それにもし重病だったり
母の時のように緊急入院するようであれば
仕事中に電話が来るはずだ。


しかし仕事中に電話は来なかった。
だから大した事ではなかったのだろうと
これまた都合の良い風に考えた。


逆に休憩中など
僕から父に電話はしなかった。


結果を聞くのが怖かったから…。
もし重病だったらショックだから…。


怖くて受け止める勇気も覚悟も
なかったから…。


そして仕事が終わる19時前には
心臓はバクバクだった。


いつもなら仕事が終わると
一緒に仕事上がりの先輩と
最寄り駅のホームまで行き
バイバイする。


しかしこの日の僕はもう仕事が終わった頃には
頭の中は父の事で一杯だった。


そして先輩に「今日は先に帰ります」と断り
僕は19時になってすぐ仕事を上がると
自分のカバンとコートを持ち
すぐさま職場を後にした。





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