いつからだろう。
いつしか僕は夜、食事を済ませた父に
マッサージをするようになった。


最初のきっかけは母が体に痛い所があり
ほぐしてほしいというのでマッサージをするようになった。

非力な僕の力加減がちょうど良かったようで
母には腰が痛い時など不定期でマッサージをした。


僕が学生だった頃は
父には仕事から帰って来て食事を済ませて
寝る前に毎日のようにマッサージをした。


もっとも父の場合は酔っぱらった後
白々しくリビングのベットに横たわり
嬉しそうにいつも
「ゆうじくん(マッサージをお願い)」
と頼んできた。


僕は嫌ではなかった。
父も母も僕のマッサージで
気持ちよさそうにしてくれて
凄く嬉しかったから。

一番嬉しかったのは
マッサージをしているうちに
寝てくれた時。

マッサージを行うことで両親に
必要とされているではないけれど
こんな事でも日頃の疲れを少しでも
癒してあげられているのかなと実感ができたから。


そして母が亡くなり1年目までは
まだ学生だったので継続していたが
やがて就職して夜勤の仕事になってからは
父にマッサージをする事は無くなった。


だが日勤の仕事に転職してからは
僕が休みの日の限定で復活した。


父に対して年々、愛情が深まり
日勤の仕事に就いた事で
気持ちに余裕が出てきたから。


もっとも父が居た頃の休みの日は
17時半ぐらいまでにお風呂に入り
18時からテレビで西武戦を見る。


そしてまもなく夕飯が出来上がり
19時までは西武戦を2人で見る。


19時になると父がNHKのニュースを見たいので
19時20分ぐらいまで父にチャンネルを譲る。


その頃には父も良い感じに酔っぱらっているので
19時20分にはまた西武戦にチャンネルを戻す。


するとお互い暗黙の了解で
『今からマッサージ』
という流れになる。


父はベットに横たわり
僕は後を追いかけるように
まずはふくらはぎのマッサージを始める。


足元側にテレビがあるため
もし西武の攻撃中だと
西武の攻撃が終わるまで
テレビを見ながら
だらだらとふくらはぎのマッサージをする。


そして西武の攻撃が終わると
腰や肩や首のマッサージをする。


父はマッサージを
僕は西武の試合をゆっくりと見れるので
お互いにとってウィンウィンだった。


そして父がイビキをかき始めたら
終了の合図。


父がうつ伏せのまま寝たら
起こさないようにゆっくりと
ベットから降り薄い掛布団をかけ
椅子に座り西武戦を見る。


これが休みの日の習慣だった。
そしてこれは父が亡くなる
ギリギリの2ヶ月ぐらい前まで
続く習慣となった。





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